夏のおわりにスウェーデンにいってきた。湿気がなくて涼しくて静かな町だった。
そこに住む人は健康的でにこにこしていてそれぞれの速さでゆっくりと歩いていた。こちらはいかに臆病で速い歩き方をしていたかが分かった。
いつもと少しずつ違って道には猫の代わりにうさぎがいて、鳶の代わりのカモメが鳴いた。翁長鳥は少し太っていて目がギョロギョロしていた。
私たちは内緒話をするように話さなければならなかった。
健康的であるということはなにもないということかもしれない。
帰ってきてみた私がとった写真はそんな静けさのなかで、どこにでもありそうな、日常的で親密なものを探しているみたいだ。
電車で不健全な顔の日本人をみるとほっとした。
それでも今思うと、そんなすべてがお洒落で、静かで雰囲気のある町が私は好きだった。